「依頼された残業以外残業として認めない」という施設側の体制について派遣会社に相談してみしました。
そのときのやりとりと結果を記事にします。
そもそも依頼された残業とは?
今の施設によると、”依頼された残業”とはシフト作成の時点で、人手が足りない日に8時間を超過して働くことを言っているようです。
僕も現在の施設に慣れてきて、改めてシフトを見てみると正職員の人たちのシフトに確かにそういった日が組み込まれているのがわかります。
僕も先日、次のシフト組む時に「その日パートさんが足りないから遅番だけど、早番の時間から出勤できますか?」と確認されました。
まだその日が来てないので、当日どのような動きになるかわかりませんが、実際正職員の人の中には「えっ。もしかして施設に住んでるの?」って思うぐらい拘束時間が長く勤務されている人もいます。
日々細切れに残業が発生する場合もある
このように事前に時間を超過して働く日が出てくるので、その日に関しては残業として認めて残業代を払うというのが今の施設のスタンスのようです。
確かにいきなり当日に超過勤務の依頼をされるよりは、前もって言われていた方が気持ち的にも楽かもしれません。早番で出勤して上がれるつもりだったのに遅番が来なくて、後5時間残業とかは身体もそうですけど、精神的にめちゃ辛そうです。
しかし、日々の業務でも細切れの残業は発生しています。業務終了時間後の後片付けやちょっとした作業、言ってしまえば着替えの時間も残業代として申請することは可能だと思います。
ただ今の施設はこの細切れの残業については、残業代として認める気は一切ありません。
コストとしての人件費の考え方
以前に正職員の方と休憩時間にお話しする機会があり、その時は時間外の研修についてユニットの職員の誰に行ってもらうかについてでした。
そのときもその研修の時間が、派遣社員の契約時間より30分から1時間遅くなるので派遣社員を研修に参加させる場合は残業代が発生するとのことでした。
正職員二人と僕が話していて、「入ってきたばかりだし、尾藤さんに行ってもらおうと思ってます」と一人が言うと、もう一人の職員の人が「いや、コスト的に尾藤さんよりも正職員に参加してもらったほうが…」と話していました。
人件費をコストとして考えるのはわかりますが、そこまで残業代を支払うことに対して神経質であることに違和感を覚えました。
派遣会社の担当者に相談
一度目の相談では「介護記録の入力での残業は認めない」ということで、それ以外の業務で残る場合はどうなるの?という点について施設側に確認をしてほしいことを伝えました。
また二度目の相談では、なぜ時間外まで残るほどの業務内容になっているのかとその実態について正職員の方たちの業務従事時間についても併せて報告し、対応を仰ぎました。
介護記録入力以外での残業について一度目の相談
今回は、契約上の時間を超過してからの雑務が業務として依頼されていること、具体的には
・掃除
・片付け
・フロアのごみ捨て
・申し送り
・着替え
指導も中盤に差し掛かってから、これらの細かい業務を済ませて帰るように指示されました。
実際は業務量からして介護記録の入力についても、時間外でしか行えないような状況でしたが、前回の記事のような経緯があったので他の業務を実態として派遣会社に相談しました。
すると、派遣会社の担当者からは
「実態の報告も踏まえて、施設に連絡します。」
とのこと。さらに
「今回の件について現場から尾藤さんにも聞き取りがあるかもしれないので、その点留意してください」
と言われました。
実際はそういった聞き取りが行われることもなく、そのまま時間を超過して上記の業務を行って月末になりました。
タイムシートの扱いについて2度目の相談
現場からの聞き取りもなく月末まで来てしまったので、一応超過した時間分はタイムシートにメモとして残しておきました。
それを踏まえて派遣会社に2度目の相談を行いました。内容としては以下の通りです。
・前回の相談から僕に聞き取りもなく月末まで来たこと
・実際の現場では正職員でも時間を超過して介護記録の入力をしていること
・正職員については休日に出勤して雑務をしないと現場が回っていないこと
・対応次第では派遣会社の苦情相談担当に相談したいので連絡先を教えて欲しいこと
すると、派遣会社の担当者から電話がかかってきていろいろ話をしましたが、その回答は
「施設としては”依頼された残業以外は認められない”というスタンスですので、契約内容の時間(超過時間なし)を書いて提出してください。」ということでした。
まぁ、前回の対応からしてもこう言われるのは想定の範囲だったので、今後もし労働基準局へ対応を求めた際に”なぜ超過時間を記載しないタイムシートを提出したのか”という点について、派遣会社からそういった指示があったことを証拠として残しておきたかったので、最後にその担当者にその旨を伝えて、”超過時間を記載しないタイムシートを提出してください”と後ほどメールでいただきました。
施設としては細切れの残業代は払わない
次の日、出勤して現場のリーダーが僕の次のシフトだったので少しお話ししました。
リーダーは未経験の僕にすごく良くしてくれており、指導自体も丁寧にしていただいていたので、派遣会社に連絡した際も
”現場の指導自体には問題ないので、残業代を支払わないという施設自体にこの件の相談をしてください”
と伝えていました。
それでも施設からは、いわば管理職的立場であるリーダーが対応するように言われており、今回の件については
”ユニットの介護業務を削って、それら雑務をを時間内に済ませるようにする。”
という結論に至りました。
施設側としては、残業代を支払うよりも時間内で終わらせられる業務量にすることを選択したという事です。
運営体制
そもそも施設見学の時に、施設の担当者が「利用者の居室が満室じゃないと赤字になる」
と言っていたので、実際の施設運営も厳しい状況に置かれているのでしょう。
実際、特養で赤字経営の施設は全体の3割ほどあるみたいなので、こういった部分でも介護業界の運営体制の弱さを現実問題として感じました。
3年ごとに見直しを計ると法律で定められている介護保険制度では、その方向性によってそれまでの運営が成り立たなくなることもあると予想できますが、そういった事態に対応できる組織作りをできていない施設では、こういった残業についての扱いの問題も含め、様々な問題点や改善点が残されているのでしょう。
ただ、それらの問題を解決していかないと人手不足は解決しないわけで、それに伴って就業環境も整備されず負のループに陥ってしまうだけなので、この点については運営側の努力と改善を図っていくしかない部分だと言えます。
結果、業務時間ピタ上がりするように業務内容を変更
僕のケースの場合、実際の業務量も正職員でも時間内には終わらせられないですし、そもそも契約内容以外の業務時間外でやることについては残業代は支払われるべきだと派遣会社に相談しました。
その結果施設は、業務量を減らして時間内に業務を終わらせられるようにすることを提案してきました。
本来なら、この月の残業代分は支払いをしてほしいところですが、僕自身未経験でこの施設で指導から行ってもらっており、まだ就業期間も短いので今回の相談の結果で今後どのように就業環境が変わっていくかをもう少し見ておきたいと考えています。
今回はこの施設で働き始めて1か月目ということもあり、こういった残業代についての扱いについての相談、今後の対応について考えるための確認でもあったので、この介護施設での経験を今後の施設選びや派遣会社との条件の提示について活かしていくつもりです。