ようやく業務にも慣れ、できることも増えてきました。シフトも早番だけでなく遅番も勤務表に入ってきました。
できることが増え、業務の処理速度も上がってきた今になって、介護業界のデメリットとしてよく言われる”サービス残業”について、その実態が見えてきたので記事にしたいと思います。
サービス残業の原因と言われる介護記録入力業務
僕は派遣会社から施設を紹介されて、派遣社員として今の特養に勤務しています。
派遣会社から施設を紹介される際に、派遣先がどのような現場なのか知るためにも事前に派遣会社の担当とその施設へ見学に行きます。
施設見学(面接時)からの不安
これを施設見学といい、その際に施設の人事担当者に施設のサービスや業務内容の説明を受けます。本来なら派遣会社に登録をするときに派遣会社での面接を受けており、その派遣会社の所属として派遣先を紹介されるので、派遣先への面接は行わないという法律になっていますが、施設としても人員を受け入れる以上、実際に派遣予定者と面談を行いたいという気持ちはあると思います。
また、介護職に限らず、一般企業へ派遣社員として就業するときも会社見学の名目で、派遣先の部署の方と面接のようなものをすることはあります。
今回、就業先の特養へ施設見学に言ったときに就業条件について一つ気になることがありました。
それは
「介護記録の入力については、残業代は出ない」
と言われたことです。
なぜ「介護記録の入力」は残業代が出ないのか
その時の施設の方のお話を伺うと
[boxpinkten]・業務時間内で行える範囲の業務・他の職員も業務時間内に終わらせられている
・「介護記録の入力」で残業されると延々と残業代を支払わないといけなくなる [/boxpinkten]
とのことでした。
僕の場合、介護業界未経験で介護士としてのスキルを身に着けることを最優先に考えていたので、その場では
「早く業務に慣れて、時間内に終わらせるようにします」
と返事をしました。
すると、その場で採用が決まり派遣会社の手続きを経て、翌々日からの勤務開始となりました。
実際の介護記録入力業務
勤務が始まり、基本的な業務内容をご指導いただいて、その中に介護記録の入力も教えていただきました。
今回の就業先の施設はPCとタブレットを使っての入力でした。
[kangaegoto]あれ?これって残業発生するほどの業務量? [/kangaegoto]
というのが、最初の印象でした。
確かに、介護職特有の言い回しであるとか介護・看護の用語は慣れないとパっと思い浮かばないのかなと思いましたが、特別な操作も必要ないので日常的にスマホやPCを使っている人なら問題なくこなせる内容の業務でした。
毎日入力する内容、
・食事量
・排泄量
・口腔ケアなど
については、タブレットで入力してその内容をPCに共有することが出来るので、介助業務の合間にタブレットに入力してあとでまとめて送信することも可能です。
勤務初日こそ、初めての業界で右も左もわからない状態からだったので、その日のまとめも兼ねて指導していただいた正職員の方に介護記録の入力について業務時間外で教えていただきましたが、それ以降はこの業務が残っていることで残業することになったことはありません。
介護職の残業は「介護記録入力業務」以外のところに原因がある
確かに介護記録入力業務は、基本的に利用者の介助という肉体を使う業務が多い介護士の業務の中でも事務色が強いですし、PC操作に不慣れだったり介助業務に時間を取られて、業務時間内に終わらないこともあると思います。でも、そうであったとしてもそこから1時間もかかることはないのではないでしょうか。
介護記録の入力については、昔は手書きで残すのが一般的だったようですが、これだけ一般の人が当たり前のようにスマホを持っている時代に、介護記録というデータをデジタルで管理してない施設がまだあるとは思えないです。
もし、現在勤務している施設が未だに介護記録をアナログ方式の手書きで紙媒体に残しているような体制だった場合は、少し働く場所を考えた方がいいかもしれません。
そういった施設でさらに、「介護記録入力業務」での残業を認めないというのであれば、それはブラック施設認定をしても間違いではないでしょう。
そもそもそんなに時間を取られる業務をデジタルを使って効率化しない施設は、本来の介護のために必要な設備投資も行えていない可能性が高いです。
利用者のための設備投資もできていないのに介護職員の処遇を改善することなどできるはずがありません。
「介護記録入力業務」については効率化されていても、他の業務で残業することは起こりえるかもしれません。僕自身も現在そういった状況に置かれているので、「介護記録入力業務」以外での残業について派遣会社に相談しようと思っています。
ブラック施設から抜けだそう
僕は現在、派遣会社から紹介された施設で勤務しています。もし、今回の施設が「介護記録入力業務での残業代は認めない」と言って、さらに手書きで介護記録を残さなければならず、これが原因で時間外労働することが不可避だったなら、すぐに派遣会社の担当者に連絡して残業代を申請するか、ほかの施設を紹介してもらうでしょう。
介護職は福祉業界ということもあり、ボランティア精神や自愛の精神が業務内でも求められることが多いです。
しかし、仕事はお金という対価に対してするものであるという、社会が成り立つために当たり前の考え方は忘れないようにしてほしいです。
介護職に従事する者として福祉の精神はもちろん大切ですが、その介護職員の自愛の精神を利用して就労環境を改善しない施設は、ただのブラック企業です。そんなところで働き続けて、身体も精神もボロボロになるぐらいなら、一歩踏み出してよりいい環境に身を置いたほうが充実します。