介護職って雑務多いですよね~。人の体に直接触ったり、服薬したり、介護業務自体はけっこう特殊なことを行う仕事なんですけどね。介護業務以外の雑務が意外と多くて、それが原因で業務時間内に作業が終わらないことってありますよね。
そんなときにどう対応したらいいのか。
実は今、僕もそういった状況に置かれているので、どのようなアクションを起こしたのかをシェアします。
介護業界しか知らない人たち
これは介護業界あるあるだと思うんですけど、
新卒で介護業界に就職してそのままずっと現場で勤続している人たちって、ちょっと違和感あるんですよね。
そういう人たちって
[boxpinkten]・仕事を教える能力が低い・情報の伝達が雑
・業務上の自分の間違いを認めることが苦手 [/boxpinkten]
といった人が多い気がします。
介護業界に入ってくる理由は人それぞれあると思いますが、介護業界しか知らない人って仕事のとらえ方が一般企業のそれとは少し距離感があるように思います。
とはいえ、そういった人たちは10代や20代前半から介護の道を志した人ですので、介護に対する思いや知識や経験は、僕みたいな転職組の人とは段違いにたくさん持っているはずです。
その思いの強さの差に加えて、上であげたような”仕事や職場の人間関係をスムーズに遂行する”意識がその割った人材が多い施設は「良い施設」と言えるでしょう。
介護業界しか知らない人たちは、「自身の時間を使って仕事を行うことによって、給与という対価を得ている」という感覚が薄いようにも思います。
こういった、考え方によっては利己的にも思えるような意識は、福祉の精神とは相反するようにも思えてしまうので、そういった”有限である自己の時間”を犠牲にしてまで要介護者のために尽くすことに疑問を持たないのではないかと考えています。
僕のように派遣社員として働くといった選択肢はこういった人たちには、最初からなかったのではないでしょうか。
そもそも正職員の時間に対する意識が低い
記事冒頭で書いたように、介護の仕事は介助業務の量と同じか、それ以上に雑務も多いです。
例えば
[boxpinkten]・食器の片づけ、洗い物・利用者のエプロンの選択
・介護記録の入力
・ごみ捨てなど [/boxpinkten]
人材不足が明らかに露呈して、現場に直接影響を与えている現在の介護現場では、介護職員が本来の介助業務のみならず、諸々の雑用も併せて行わなければ現場が回りません。
雑務は時間外で行うのが介護業界の常識になっている
さらに正職員として施設に勤務している職員は、
・パートさんや派遣の管理
・シフト作成
・ケアプランの見直し
など、さらに多くの業務を課せられています。
これらと介助業務に合わせて、本項冒頭の雑務も併せて行います。
日々の残業は必至です。
しかし正職員の方たちはある意味、諦めや覚悟をもって日々行をこなしているかのようにも見えます。
それはもちろん、残業をしないように業務を絶対に時間内に終わらせるという意識よりも、利用者が不便なく過ごせるようにすることを優先して考えていることもあります。利用者の生活を介助することに加えて行われる業務・雑務については、時間外で処理することが介護業界の常識になっているとすら思えます。
派遣社員はその常識に染められる必要はない
派遣社員は、派遣先の施設で働いてはいますが、雇用契約は派遣会社と結んでいます。
現場の指示・命令は、施設から直接受けますが、労働時間に基づく給与の支払いは派遣会社から行われます。
派遣会社との契約が、一日8時間労働(1時間休憩、拘束9時間)の場合、
8時間を超える労働時間分は時間外労働として残業代を申請するべきです。
僕は現在派遣社員としてユニット型特養に努めていますが、先日、遅番のときに自ユニットの利用者を居室で臥床していただいた後、業務時間終了後にそのフロア全体のごみ捨てを命じられました。
この施設は1フロアーに4ユニットあり、2ユニットづつ人員が分かれて配置されています。
フロアのごみ捨ては、月ごとにその2ユニットごと担当が変わる体制になっており、今月はこちらのユニットが担当なのでした。
何度か遅番にも入っていて、このごみ捨ての時間を合わせると労働契約の業務時間は確実に過ぎてしまいます。
しかも、業務時間終了後にごみ捨てをする流れは、正職員にとっては当たり前のことかもしれませんが、派遣社員としてその施設に働いている身としては確実に時間外労働になります。
一日ごとにみていくと、15分から30分単位の残業かもしれせんが、ひと月で見るとチリツモです。ましてや、遅番なので帰る時間も遅くなります。
この件については、派遣会社の担当に相談しましたのでなにか進展があればお知らせいたします。
「良い施設」になるためには、施設の運営が舵を切らないといけない
時間外労働は、残業と言われ本来の給与とは別に”残業代”として支払われるべきものです。
しかし、あまりに時間外に行わなければならない業務が多くて実際にその分の残業代を介護職員に支払っていたら施設の運営自体が成り立たなくなるのでしょう。
実際に確認したわけではないですが、正職員の方たちは残業代を正規の時間労働分はもらっていないと思います。
安定を求めて正職員になったのに、自らの権利を主張することでその安定のよりどころである施設が潰れてしまっては意味がなくなるからです。
この点に関しては、施設の運営側が
・業務の効率化
・適切な人員の配置
などの設備投資や人材育成・獲得に向けて舵を切っていかなければならない部分だと思います。
逆に言えば、それが行われている施設は「良い施設」であり、正職員の離職率も低いはずです。
「良い施設」は正職員の離職率も低く、人員の配置も効率化できていると予想できるので、そこで働いている派遣社員の数も多くはないと思われます。
ただ、介護業界全体として人員不足の現状があるので、派遣社員の需要はあるでしょう。
介護職とはいえ、労働時間と対価の適正化を意識しよう
正職員だと、リーダーなどの肩書で管理職的な立場を与えられて残業代がつかない働き方を受けいれるしかない状況になる場合もあるでしょう。
しかし、あくまで派遣社員は時間給で雇用されている立場ですので、なにより業務に従事している時間で給与が決まります。そして時間外労働については残業代が支払われるのは、至極当然なことです。
もし、施設側が残業代を支払えないのであれば、派遣社員の労働時間をしっかりと管理して、契約通りの就業時間で退勤させるべきです。
僕のごみ捨てのパターンだと、
・日々のごみ捨ての分の時間外労働を残業代として支給する
か
・ごみ捨てについては正職員で行い、派遣社員を定時で退勤させる
の2択だと思います。
僕としては、チリツモで時間外労働を認めていただく方向がありがたいですが、たぶん後者になると思っています。
いずれにせよ、報酬の発生しない業務は、「しない・やらない」
なにかあれば派遣会社の担当者へ相談する。
を徹底して行うことが、介護業界の労働環境の適正化にもつながると思いますし、それが普通に通用する業界にならなければ、今後起こると言われている2025問題についても解決することはないでしょう。
労働環境の適正化は未成熟な介護業界にとって、労働者がアクションを起こしながら少しづつ解決していかなければならない問題だと思います。