特養での一日の動き ~遅番~

特養での一日の動き ~遅番~

令和元年8月から特別養護老人ホームに派遣社員として介護職に従事することになりました。高校時代にホームヘルパー2級を取得してから、30歳を超えて初めて資格を使って介護職に就きました。

今回は遅番の業務ついての記事になります。

特養でのシフトの例

 介護職の業態には大きく分けて

・施設(特別養護老人ホーム、有料老人ホーム、老健)

・訪問介護(訪問介護事業所、サービス付き高齢者住宅)

と2種類があります。僕の場合は未経験で介護職に就業することもあり、介護職員としての必要なスキルを身に着けるために介護度の高い利用者の多い特別養護老人ホームへ就業しました。

 施設系の介護職員での就業場合、利用者はその施設で生活しているので介護職員は24時間体制で利用者の生活を介助・見守りをしています。24時間を複数の職員で対応するためにシフト制が取られているのでその一例を紹介します。

・早番 7:00~16:00

・日勤 10:00~19:00

・遅番 12:00~21:00

・夜勤 21:00~7:00

 それぞれ休憩は1時間(夜勤は2時間)あります。

早番の流れについてはこちらで記事にしておりますので、よろしければご覧ください。

遅番の流れ

 遅番は業務の流れとしては早番と反対に一日の生活の終わりに向けて身体介助を行っていく流れとなります。

早番と勤務時間が同じ時間帯は出勤している職員もいるので、ある程度業務は手分けして行えます。実際の遅番単体での業務という意味では早番が帰ってから、とくに夕食準備ぐらいから就寝までの流れをいかに切らずに行えるかがポイントになるように思います。

1.申し送り 12:00

 介護職員の仕事は上でも触れたように24時間体制の仕事になります。自分の勤務時間外の利用者の様子などに変わりがなかったか、それまでの排泄の状況など勤務時間の引継ぎに必要な情報を申し送りによって共有します。

遅番の場合は、早番からその日の午前中の利用者の様子や前日からのケアの変更点の申し送りを受けます。

また、介護記録を確認し、自分の勤務時間までの利用者の情報を確認します。

2. 昼食準備と食事介助  12:00~14:00

 申し送りが終わったら早番の人は休憩に行くので、その間に昼食の食事介助に入ります。

利用者のその日のスケジュールを確認して、午後から入浴に行く利用者がいる場合は早めに食事を採ってもらったり、食事の時間を遅らせたりして調整します。

また、昼食に入る前に利用者ごとに食事の携帯が決まっているので、しっかり配膳できているかを確認します。

3.口腔ケア、排泄介助、臥床 14:00~15:00

 昼食後は口腔ケアや排泄介助を行い、午後から臥床していただく希望がある場合は利用者の方に居室で臥床していただきます。

昼食後に服薬がある場合は、服薬や点眼をお手伝いします。

また褥瘡が見られる場合は、臥床時に処置したりナースに連絡して処置をお願いしたりもします。

4.おやつの提供 15:00~

 15時におやつの時間があるので、臥床していただいている利用者にお声がけしてリビングに来てもらいおやつの提供を行います。

その後にまた臥床されたり、居室に戻られる場合は利用者の希望に沿って対応します。

おやつの後も口腔ケアが終わったらそのままリビングでTVを観たり、利用者同士や職員と談笑してもらったり、高齢になるとただ座っているだけも体力的にしんどいのでベッドで臥床してもらったりしていただきます。

6.介護記録の入力や利用者の希望に合わせた介助 15:30~17:00

 午後の介助もひと段落して、遅番の職員は早番の業務時間が終わる前に休憩に行きます。

この時間帯には利用者はすでに臥床されていたり、居室やリビングでご自身の時間を過ごされていたりするので、介助以外の記録業務や環境の整理などを行う時間に充てます。

ここで早番の終業時間が16:00なので、簡単に引継ぎをしてそれ以降は遅番のみの業務となります。

7 . 夕食の準備 17:00~18:00

 夕食は18:00~20:00の間に提供することが決まっているので、18時までに夕食の準備を済ませておきます。

遅番の業務は、最後に21時までに就寝していただくまでの業務になるので、ここからが忙しい時間となります。

18時には夕食を始めたいので、17時過ぎから利用者にお声がけをしてリビングの席についてもらうように誘導・介助を行います。

8.夕食 18:00~20:00

 昼食と同様に、夕食も食事介助を行います。

食後は服薬・点眼を行い、口腔ケアが終わった方から順次就寝の準備に入ります。

 1ユニットに10人の利用者がいるので夕食が20時までとはいえ、そこから10人のナイトケアに入っていたらとても間に合いません。

60分÷10人で一人当たり6分ではとても回り切れないです。

ですので夕食が終わった人から順次就寝準備に入ってもらうように誘導するのは、とても重要だと思います。

9.ナイトケア、就寝 20:00~21:00

 ナイトケアは

・パジャマに更衣

・夜用のパット・オムツに交換

・トイレ誘導

・口腔ケア

など

就寝していただく準備をお手伝いする介助となります。

 勤めている施設やユニットの介護度にもよりますが、全介助が必要な利用者が多い場合はここでけっこう時間に追われます。

ユニットの状況や慣れによっては、余裕をもって終われるので利用者に就寝してもらうことができたら最後に介護記録を入力して業務終了となります。

実際の遅番業務

 上の項目で遅番の流れについて記載しましたが、実際に業務に入るとイレギュラーなことが起こって流れ通りにいかないこともあります。

例えば、

・起床時に利用者が失禁している

・利用者の開口が悪く食事介助が進まない

・転倒などの事故

施設側の問題としては

・パートや職員の急病や遅刻での人員不足

など、不測の事態は常に起こりえるので、なにも問題がない時ほどスムーズに業務をこなせるようにしておいて、なにか問題が生じたときに余裕をもって対応できるような状況づくりはしておきたいですね。

 特養の利用者は介護度も高い方が多いので、介助量も多くなかなかイメージ通りに進まないこともあります。これは就業してる施設の人員数にもよりますが、もうどうしようもなくなったら他の職員に助けてもらいましょう。

介護職はチームワームも大切

 介護職はけっこう時間通りに業務が進まないことが多いです。ただ、食事の時間や服薬など利用者にとって遅れてはいけない業務もあります。

また、それとは別に入浴介助など時間が決まっている業務との兼ね合いもあります。

ただこれらの業務を滞りなく一日のスケジュールとして遂行していくのも介護職の仕事で、人員配置不足で業務が成り立たなくっては施設としても成り立たないので、業務の流れが滞りそうなときは他の職員と連携を取って助け合うことが大切です。

派遣職員として働くこと

 日勤帯の介護職員の働き方として大切なのは、

・業務の流れを切らないこと

・業務が遅れて、あとの業務に支障をきたさないこと

だと思います。

派遣職員として施設で就業するようになったときに、初めの勤務の何日かはその施設の職員から一日の業務流れを指導していただけると思います。(その期間は施設や自身の経験によって違いはある)

 基本的に一日の業務で必要なことを就業時間内に終わらせれば問題ありません。

介護職の問題としてサービス残業が多いといったことがよく言われますが、派遣職員としてその施設で働いている以上、 極端な話になりますが、一日の業務が滞ってしまったとしても就業時間以降の業務に関しては残業になります。

あまりにも業務時間内に間に合わないことが常態化する場合は、派遣会社に相談しましょう。業務が間に合わない、終わらない原因が自信にある場合はそこを改善していかないといけませんが、もし、施設の体制に問題がある場合はただただ自分が疲弊していくだけですので、一人で悩まずに派遣会社の担当者に相談しましょう。

 派遣職員として働いている以上、ご自身は派遣会社の社員としてその施設に派遣されている立場になります。施設内での業務の支持は派遣先の施設から受けますが、就業内容で困ったことがある場合に相談するのは派遣会社になります。

 もし、時間外での業務を残業としてではなく依頼してくるようなことがあれば、すぐに派遣会社に連絡して、自身の就業環境を守ってもらいましょう。

直接雇用であれば、そのことに対して受け入れてしまうか、すぐにやめるかという選択しかありません。(それか残業代不払いについて労基に相談するか)

また派遣会社から仕事を紹介されている状況であれば、次の施設も紹介してくれます。そのときの選択肢も多い方が検討材料が増えるので、複数の派遣会社に登録しておくほうがいいと思います。